| 『解夏』 | さだまさし | 幻冬舎 | 前作の『精霊流し』でも本当に泣けて、泣けて仕方がなかったものですが、今回もまた思い切り泣ける短編集になっています。人間って一生懸命生きているようで、いろいろな荷物を抱えきれずにいるのだなぁ、と思わされました。 | |
| 『エンジェル』 | 石田衣良 | 集英社文庫 | 自分が殺されたあと、幽霊としてこの世に舞い戻るものの、死ぬ直前の記憶が無い主人公が、自分の子供をみごもっている女性を守りながら、自分を殺した人たちに復讐をしていく物語。ただし、幽霊と言っても、タイトル通り、恐ろしいことばかりをするのではなく、最後は自分の命の最後の灯を投げ出して人を救おうとします。生きているときに見えなかったものが、死んでしまったあと見えるようになっていく過程がとても不思議です。 | |
| つめたいよるに | 江國香織 | 新潮文庫 | デビュー作『桃子』を含む21編の短編集。私は犬が死んでしまったあと、見知らぬ少年と一日を過ごす『デューク』が好きでした。 | |
| いつか記憶からこぼれおちるとしても | 江國香織 | 朝日新聞社 | 読んでから時間が経ってしまったので、感想もかなり薄れてきていますが、17歳の女子高校生を主人公にした6つの短編が収められています。江國さんの小説の主人公は、今はあまり遣わなくなってしまったような古い言い回しを遣ったりするのが面白いです。 | |
| 最後の記憶 | 綾辻行人 | 角川書店 | 綾辻行人7年ぶりの本格長編ということで、期待が大きかった一冊。若年性の痴呆症を患い、徐々に記憶を失いつつある母の、残された幼児期の「凄まじい恐怖」の真相をつきとめるため、その息子が母の故郷へと旅に出ます。そこで出会った出来事は、本当に不思議でこの小説が「ホラー」と呼ばれるのもわかる気がします。 | |
| GOTH | 乙一 | 角川書店 | 「夜」という不思議な名前を持つ少女と、その同級生の男の子が、殺人事件に普通とは違う関心を寄せていることに共通点を見いだし、いろいろな事件に巻き込まれていく物語。何とも言えず、不気味で背筋が寒くなるような事件が次々起こる、これこそホラーという感じ。 | |
| 目下の恋人 | 辻 仁成 | 光文社 | やはり、この人の文章はなんだか好きになれません。これは短編集なのですが、タイトル作が映画になるというので、読んでみました。この作家の自分の世界に浸りきったストーリー展開が私には合わないようです。 | |
| サヨナライツカ | 辻 仁成 | 世界文化社 | 『目下の恋人』の中の1編がそのまま長編化されただけの作品。中山美穂主演に映画にするという話がつぶれかかっているそうですが、それも止むをえないのではないかと思ってしまいました。 | |
| 凶気の桜 | ヒキタクニオ | 新潮文庫 | 窪塚洋介くんがほれこんで映画化を提案したという1冊。渋谷の街を縄張りとして暴力を振るう少年たちが、そのうちやくざに利用されるようになり、知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれていってしまうのは、なんだか悲しいです。今の渋谷は夜になると、本当に怖い街になってしまい、この本に書かれているようなことが実際に起こっても不思議ではないような気がします。 | |
| 暗いところで待ち合わせ | 乙一 | 幻冬舎文庫 | 「乙一ファンの間で最高傑作と賞される長編小説」と帯に書かれていますが、確かによくできた小説だと思います。静かで、淡々としていて、それでいて深い、という感じ。ホラーではなく、かすかなミステリーに入るのでしょうか。とても心に残る小説です。 | |
| 夏と花火と私の死体 | 乙一 | 集英社文庫 | 死者を第一人称とした本は時々ありますが、これは「死者」ではなくて「死体」の一人称で書かれています。死体がものを見て、ものを聞いて、ものを考える、という何とも不思議な物語です。そして、子供の残酷さがひしひしと伝わって来ます。 | |
| 失踪HORIDAY | 乙一 | スニーカー文庫 | タイトル作より、先に入っている『しあわせは猫のかたち』の方が好きですね。こういうことって、もしかするとあるのかも知れないなぁ、と人の思いの強さを感じます。 | |
| きみにしか聞こえない | 乙一 | スニーカー文庫 | 『CALLING YOu』と『傷』『華歌』の3編が納められています。『華歌』はかなり不気味というか怖いです。『傷』は悲しいし。『CALLING YOU』が一番乙一さんらしいかな、と思いました。 | |
| さみしさの周波数 | 乙一 | スニーカー文庫 | 『未来予報』『手を握る泥棒の物語』『フィルムの中の少女』『失はれた物語』の4編が納められています。しかし、乙一さんの小説を最初に読んだとき(『GOTH』)のような、インパクトはありません。それぞれに不思議な世界が織り込まれてはいるのですが。 | |
| 骨音 | 石田衣良 | 文藝春秋 | 文句無しに面白いです。このシリーズは本当にはずれがありません。相変わらずマコトは素人探偵よろしく、池袋の街を守るために頭をひねり、走り回っているし、タカシはGポーイズを束ねて、決してクールさを失うことなく、やはり池袋の街を守っています。池袋の街が本当にこの小説に書かれているような状態だとすると、夜、あのあたりを出歩くのはやめよう、と思いますけど。 |
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